盲亀福願の明け暮れ

鯖空間が第二の家

5/16 時代が違えば多分くノ一になれた

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人から気配がないと言われることが多い。話しかければ「うわっ!居たのか。びっくりした!」と驚かれ、友人と一緒に歩けば、真横に居るのにどこ行った!?と本気で探される。台所を使いたくて部屋から出ると、「ちょっとー、音もなく近くに来るのやめてよ」と祖母に笑われる。

今朝もバス停に立っていると、スマホを見ながらバス停に並ぼうとした人に思いっきり衝突され倒れそうになってしまった。相手は申し訳なさそうに会釈だけして、パッと視線をスマホに戻した。いや、それは謝ってよッ!!大学に来ても、廊下を通るために清掃のおばさんに「失礼します」と声をかけたのに、夢中で掃除機をかけていて通してもらえない。

あまりにも認知されないので、出来るだけ明るい色の服を着ているのに効果がイマイチ。しまいには自動ドアとタッチパネルにも反応されなくなった。指紋が薄いんだろうか。それとも、私のオーラは電化製品にも認知されないほど薄いのだろうか。

2限にキャンパス移動をして友人と合流する。あまりにも履修者が多すぎて後ろの席は取り合いだった。ふと視線を感じて顔を上げると、ストーカーの学生がこちらをガン見していた。そういう場合わたしも目を逸らさずに見てしまう癖がある。森でクマに遭遇した時に、目を逸らさず後ずさりするようにジッと見つめる。考えすぎかもしれないけれど、もし相手が凶器を持っていたらと考えると一挙一動が気になって仕方なくなる。利き手を催涙スプレーを入れているポシェットに添えて、絶対に目は逸らさない。

ショックなのか解離なのか、被害にあっていた時期の記憶はゴッソリ抜け落ちてるのに、体は咄嗟に反応するって不思議。

講義終了後に、賞味期限の近いサバの缶詰(非常食)を配布している支援課へ向かった。途中、ストーカーが正面から歩いて来て体が硬直する。友人が服の袖を掴んでくれて、現実に戻った。一時はすれ違っても無反応だったのに、最近はこちらに気づいているようでキャンパス内に居るだけで気をつかう。この頃、面倒くさがってカウンセリングに行かなくなったけど、そろそろ行こうかな…。

学校行けたご褒美。あと暑かったから。