盲亀福願の明け暮れ

鯖空間が第二の家

3/8 夏休みより長い春休み

3/8

気づいたら3月になっていた。2月の頭から大学の春休みが始まって1か月経ったけれど、ほぼ毎日アルバイトを入れているから休んでいる感じがしない。とにかく2月、3月は沢山シフトを入れた。バイトメンバーの中で一番働いていると先輩に言われ、家には寝に帰っている日々。これから歯科矯正をするから沢山働いて、沢山お金を貯めなければいけない。抜歯をしたり、ワイヤーを入れたりする痛みで毎日泣いて喚いて、これから2年間地獄を味わうんだと思う。それでも食事のしにくさと、顎の疲労が軽減されるなら我慢できる。多分…。まあ、抜歯をしたらもう後には引けないだろう。

最近は明るかった髪を黒に戻して真面目に過ごそうとと思っていたけれど、反動なのか隠れてタバコを吸ったり、眠剤遊びをしたり好き勝手に過ごしている。次年度からストーカー被害を受けていた時にお世話になっていた先生と過ごす時間が多くなるので、少しでもチャラチャラしてると思われたくなくて黒髪に戻した。あとは内面の方を矯正していきたい。

 

そんなこんなでバイト漬けな毎日を送っているけれど、奇跡的に今日明日と休みが出来たので昨日は真夜中までアニメを見ていた。ずっと見たかったネトフリで配信されている伊藤潤二のマニアックを流しながらpixivを徘徊する。途中、読んだことのあるような内容の話が始まり、ソワソワしたので本棚を漁りだす。沢山の本紹介が載っている本と言えば……、二階堂奥歯の『八本脚の蝶』!!この人だ。クイズを解いているような気持ちになった。

小学校3年生くらいのころ、あるホラーマンガを立ち読みした。

自分の身体が裏返しになってしまいそうだと、ある男が恋人に打ち明ける。
その身体の表側(いつもの側)はその男だが、裏側は別な人間なのだ。二人は一つの輪郭を内と外で共有している。どちらが表側になるか、不断の争いが続いているため、男は眠ることもできない。隙さえあれば、セーターや手袋が裏返しになるように、自分の輪郭が内側から裏返されてしまうからだ。
自分で自分の身体を縛ってみたりもしたが、相手の力は強く、指先から内側へとめり込んでいき、口から裏返ってしまいそうになる。
だから、僕を見張っていてほしい。見ていてもらえればその間は眠ることができるだろう。
恋人は了解する。

最終的に男は逮捕される。なぜ恋人を食べたのかと聞かれて、彼は「いいえ、彼女は私の内側へと旅立ったのです」と答える。

このマンガから学んだこと。
・身体は輪郭でなりたっている
・輪郭には内側と外側がある
・内と外はいれかわりうる

(さらにこのマンガから学んだこと。)
(・自分を維持するためには縛るという方法もある)
(・恋人を食べたり、恋人に食べられたりする愛の形もある)

切り傷ができると、そこから自分の身体がめくれあがっていくところを想像してしまう。そうすれば今度は輪郭のこちら側が内側になるだろう。
私は世界を内に閉じ込めるために自分をくるりと裏返すのだ。

引用:二階堂奥歯『八本脚の蝶』

この本に伊藤潤二だと記載されていなかったけれど、何となくホラー作家といえば伊藤潤二なんじゃないかと考えていたらビンゴだった。奥歯さん、あなたの読んでいた本は数十年後にはアニメ化されていますよ。

 

ちなみに二階堂奥歯は、本の編集者で若くして亡くなっている。南条あやのように自ら命を絶ったという共通点で読み始めたら、二階堂ワールドにのめり込んだ。奥歯さんはブログを書いていたので、気になったら是非。

oquba.world.coocan.jp

先月泊まったホテルの廊下。長いからバックルームズみたい。